グッゲンハイム美術館 ジャコメッティ展に行こう! グッゲンハイム美術館 ジャコメッティ展に行こう!

こんにちは、プレ子PUREKOアイコンです。
5番街にあるセントラルパーク側のひときわ目立つ建物、グッゲンハイム美術館は以前ご紹介させていただきました。現在こちらで開催中の「アルベルト・ジャコメッティ展」に行ってきました!

  1. 彫刻家 Alberto Giacometti(アルベルト・ジャコメッティ)とは
  2. 映画「Final Portrait」
  3. 主な展示品
  4. ジャコメッティのお土産

展示中の企画展 〜 アルベルト・ジャコメッティ展

グッゲンハイム美術館で行われている目玉の企画展、ジャコメッティ展についてご紹介したいと思います。フランクロイドライトが建設した、グッゲンハイム美術館のうずまき回廊の2階から6階まで、個性的な造形のジャコメッティの作品が並んでいます。こちらの企画展は9月12日までとなりますのでお見逃しなく!

1、彫刻家 Alberto Giacometti(アルベルト・ジャコメッティ)とは

ジャコメッティはスイスの彫刻家で、1900年代初頭に産まれ、1966年に亡くなるまで活躍したアーティストです。
針金で作った土台に肉付けをした細い体の作品が多く有名ですが、肖像画や版画なども手がけました。
彼のお父さんはスイスを代表する印象画家でした。翌年に彫刻を始めます。ジャコメッティは、スイスの美術学校に入学して油彩をはじめますが、すぐに絵画ではなく、工芸に興味を持ち、翌年には彫刻を学び始めます。
その後、イタリア系の家系だったこともあり、ヴェネツィアやローマに滞在し、それからパリに移動し、ロダンの弟子のアントワーヌ・ブールデルに弟子入りします。
デッサンの最中に人物全体をとらえるなんて不可能だと苦悩し始めます。神経質で繊細な性格の為、
1920年代に兄のディエゴと共にアトリエを構え、写実主義よりもキュビスム、シュールレアリスム、そしてアフリカやエジプトなどの原始彫刻に興味を持ち、傾倒していきます。
また、パリではピカソやジョアン・ミロ、サルトルなどと交友がありました。

スイスでは100フラン紙幣にジャコメッティの肖像と「歩く男」という作品が、刷られているぐらい有名なアーティストです。特に晩年、1960年ごろのものは国際的にも高い評価を受けて、それは今でも続いています。

2、映画「Final Portrait」

美術館で同時上映された映画「Final Portrait」(「最期の肖像」)は、2017年に公開されました。
晩年のジャコメッティのことを描いた映画です。その中の描写では、1964年頃、ジャコメッティは奥さんのアネットとは別に年の離れた若い女性、キャロラインを愛人兼モデルとしています。ジャコメッティは彼女がお気に入りで、ねだられたものは何でも買い与え、ご執心のためペースに巻き込まれ、製作が中断することもあったと描かれていました。アネットは嫉妬と共に哀しみや怒りを持っていますが、最後まで彼と添い遂げました。また、フランス在住の日本人哲学者、矢内原伊作をモデルとして好んでいたので、彼が日本へ帰国した後もモデルの為に呼びつけていました。どこまでが事実か定かではありませんが、映画の中ではアネットの情事相手としても描かれていました。ジャコメッティは、モデルの位置にうるさい画家で、肖像画を描くときのモデルは、1㎜たりとも動けず、休憩の後、元の位置に戻る時は完全な元の位置を求め、少しでも動けば、怒るという感じでした。子どものような彼の人間性やアネット、キャロラインとの三角関係、アトリエでの製作過程などを垣間見ることのできる映画でした。
映画を見ることで、作品をより深く鑑賞することが出来たように思います。

それではグッゲンハイムの展示品を見ていきましょう。

3、主な展示品

彼の作品のモデルで1番多く登場するのは奥さんだった、アネット・ジャコメッティで、企画展入り口を入って最初の作品は晩年にジャコメッティがアネットを書いた肖像画でした。
彼は顔の中央をグレーに塗って、失敗したものを消し、その上に何度も書き直しました。平面なのに不思議な立体感がきちんとあり、不思議な魅力がありました。


見ればすぐにジャコメッティとわかるこの細身の彫像。右側は 1960年「Walking Man Ⅰ(歩く男 Ⅰ)」で、スイスフランにも印刷されています。普通の男性の謙虚さと人間性を表していて、大股で歩くという自然平衡は、男性の生命力のシンボルである。とジャコメッティは言いました。
左側は「Large Standing Woman Ⅱ(大きな女性立像 Ⅱ)」細身ではありますがバストやヒップは大きく、女の人の方がくびれが大きく表現されていますね。
真ん中の作品は、1960年「Large Head(大きな頭部)」という作品で、2.76mもある大きな作品です。




若き日の兄、ディエゴの肖像と風景画です。第二次世界大戦前は、このように色遣いが鮮やかな物も描いていました。
戦争がどのように彼の心に影響したかが想像できます。戦後の彼の絵は色を失い、グレーがかったものに変わっていきます。



ジャコメッティの彫像、特に初期のものはアフリカやエジプトの原始的なアートに多大な影響を受けています。


戦前の作品は彫像も小さめのものが多く、アフリカンアートからの影響が強いように思います。



こちらお気に入りの作品。ハニワのような顔立ちで、なんだか遺跡で発掘されそうですよね?


1927年「スプーン型の女」 アフリカンアートっぽさの中で女性を表現しています。左の黒は青銅、右の白い方は石膏で出来ています



こちらは男性を表しています。象形文字や遺跡の洞窟に刻まれていそうな彫刻。


そして、横たわる女性。曲線は女性的ですね。


無題の物ではありましたが、いくつか同じような形のものがありました。男性の象徴のようですね。この時代、言葉にすることは憚られたのか、配慮なのかわかりませんが素材を替えて作っています。上は木、下は石膏ですね。



「Woman with her Throat Cut」1932 (喉を切られた女)


女性の彫像、細身の体に近づいていきます。



針金に肉付けしての表現になってきました。やっと知られたジャコメッティの作品になってきましたね。肉体をそぎ落とし、人間の本質だけを切り取って表現しようとしたといわれている独特のスタイルです。


L’homme au doigt (指をさす男) 1947



ピノキオのように鼻が長い作品。


これは1950年 “The chariot”(チャリオット)
古代エジプトの馬車を想起させる2つの大きな車輪に細身の女性が乗っているところです。不安定な平衡の上、運動と停滞、前進と後退の間に永続的に存在します。ジャコメッティは、入院していた時に見たぴかぴか光る薬局のカートに着想を得たと話していたそうです。


こちらの女性はジャコメッティの最期の愛人でもありミューズのキャロラインです。
キャロラインは若く自由奔放な女性で、お金にあまり興味のないジャコメッティから、お金をたくさんもらって好きなものを買っていました。



下記が唯一の日本人モデル、哲学者・矢内原伊作の肖像と彫刻です。ジャコメッティは肖像画を描く間、モデルに同じポーズを取らせ続けることが恐ろしく長かったので、
仲の良い友人や家族、または忍耐強い人でないとモデルが務まりませんでした。

大規模なジャコメッティの全貌を振り返る回顧展はなかなか観られません。
アメリカでも15年ぶりです。
展覧会は今月12日(水)まで。どうぞお見逃しなく!!

4、ジャコメッティのお土産

最後にジャコメッティのアートグッズのお土産もありましたよ。
スイスフランでおなじみの「Walking Man Ⅰ(歩く男 Ⅰ)」のTシャツや、展示品の中でも印象的だったピノキオのように鼻の長い作品のバッグもありました。

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pureko